今回は実際に寄せられたご相談をご紹介します。
今回いただいたご相談
「毎月40時間以上残業していますが、給与明細を見ると残業代の項目がありません。
会社に聞くと“うちは固定残業だから関係ない”と言われてしまいました。本当に合法ですか?」
この悩みは非常に多く、放置すると損害額が数十万円〜数百万円になることもあります。
社労士として、正しい判断基準と対処法をお伝えします。
結論:このケースは“違法”の可能性が極めて高いです
残業代が正しく支払われていないケースは、
- 固定残業代のルール不備
- 管理職扱いの悪用
- みなし残業の超過不払い
- 明細に残業項目なし
ほぼすべて 法律違反 です。
特に「固定残業だから払わない」という説明は典型的なブラック企業の言い訳です。
今回の相談ケース(要点整理)
- 月40時間以上の残業
- 明細に残業代の項目なし
- 固定残業との説明だが金額不明
- 就業規則の説明なし
- 会社は「関係ない」と取り合わない
→ 固定残業代のルールを満たしていない可能性が高い
法律上のポイント(社労士が解説)
✔ 固定残業代は「超過分の支払い」が必須
固定残業代には「みなし○時間」などの明確な時間設定が必要です。
設定がなく「とりあえず固定残業」では 無効 になります。
✔ 明細に残業代の項目がないのは基本NG
労働基準法 第24条(賃金支払)→ 支払った賃金の「内訳」を明示する義務があります。
✔ 管理職扱いでも残業代はゼロにならない
管理監督者の定義は厳格で名ばかり管理職は違法扱いになります。
社労士が見た“現場の実態”
現場では、
- 「固定残業だから払わない」
- 「管理職だから関係ない」
- 「うちは裁量労働制だから」
など嘘の説明で労働者を黙らせる会社が非常に多いです。
しかし実際には、会社側が負ける判例が圧倒的多数 です。
正しい対処法(5ステップ)
① 就業規則・雇用契約書を確認
固定残業の時間が書かれているかチェック。
② 給与明細の内訳を確認
固定残業代の金額が明記されているか?
③ 出勤・退勤記録を保管
- タイムカード写真
- 業務開始メールなど証拠を保存。
④ 会社に説明を求める(メール推奨)
証拠に残すことが重要。
⑤ 改善されないなら外部相談
- 労働基準監督署
- 労働局の総合労働相談コーナー
危険度チェック(3つ中2つでブラック確定)
- 明細に残業項目がない
- 固定残業の説明が曖昧
- 超過分を払っていない
これらが当てはまると ブラック偏差値80クラス です。
社労士からのメッセージ
残業代トラブルは、あなたの努力不足ではありません。
会社の体質が悪いだけです。
あなたの人生と時間を守るために、環境を変える選択肢を持つことは“逃げ”ではありません。
むしろ正しい判断です。
ブラック企業から抜けたい方へ
長時間労働や残業代不払いは、改善がほぼ不可能です。
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👤 監修者プロフィール
社会保険労務士 三島 潤
三島社会保険労務士事務所 代表
- 顧問先100社以上の労務管理をサポートし、年間数百件の労務相談に対応
- ブラック企業の実態に精通し、安心して働ける環境づくりに尽力
- 「ブラック企業を減らし、幸せな職場を増やすこと」を使命に、企業経営者・働く人の双方を支援中
