実際に寄せられた相談
「退職届を渡したのですが、社長から“受け取らない。辞めるなら損害賠償を払え”と言われ、退職できません。本当に辞められないのでしょうか?」
退職妨害はブラック企業の特徴ランキングで常にトップに入る非常に深刻なトラブルです。
結論から言うと、会社が受け取らなくても退職は成立します。
社労士として、最も間違いのない方法を解説します。
【結論:退職届は“受け取られなくても提出した時点で効力が発生します”】
労働法では、退職届は 相手の承諾は不要 です。
受け取られなくてもメール・郵送・内容証明で送れば退職は合法的に成立 します。
【今回の相談の状況】
- 退職届を手渡ししたが受け取られない
- 怒鳴られる・脅される
- 損害賠償と言われて不安
- 休ませてもらえない
- 引き継ぎ拒否で混乱している
→ これは 典型的な退職妨害 であり、法律では完全にアウトです。
【退職届の仕組み(法律で保証されています)】
✔ ① 退職は“会社の許可”はいらない
民法627条→ 「退職の意思表示」で辞められます。
✔ ② 受理されなくても合法
→ 手渡し拒否は無効
→ 郵送(普通郵便でもOK)で成立します。
✔ ③ “損害賠償”はほぼ成立しない
退職による損害賠償は日本の労働法上、ほぼ不可能です。
✔ ④ 引き継ぎを理由に辞めさせないのも違法
引き継ぎはあなたの義務ではありません。
会社の業務管理の問題です。
【社労士が見てきた“ブラック退職妨害”の実例】
- 「辞めるなら損害賠償だ」
- 「後任が決まるまで辞めさせない」
- 「退職届は受け取らない」
- 「退職日の変更を勝手に書かれる」
- 「お前が辞めたら会社が潰れるぞ」
…など、脅し・恫喝・責任転嫁が非常に多いです。
しかし、最終的には100%辞められています。
【正しい退職方法(5ステップ)※最重要】
① 退職届をメール+郵送で提出(証拠が残る)
メール例文:
「○月○日をもって退職いたします。
本メールをもって退職の意思表示といたします。」
郵送は
- 普通郵便
- 簡易書留
- 内容証明
いずれも有効。
② 退職日を“2週間後”に設定
民法で「退職の申し出から2週間後に契約終了」と決まっています。
③ 会社から脅されても事実を残す
録音アプリでもOK。
脅しは後で証拠になります。
④ 仕事を放棄しなくてもOK
過度な引き継ぎを要求されても最低限のメモだけで十分。
⑤ 無理な場合は退職代行も検討
心身が限界なら“自分を守る手段”として使って問題ないです。
【危険度チェック】
2つ当てはまればブラック確定レベル。
- 退職届を受け取らない
- 損害賠償と言われる
- 引き継ぎを理由に辞めさせない
- 怒鳴られる・脅される
- 退職日を勝手に書き換える
ブラック企業の特徴をもっと詳細に知りたい方は「【2025年度版】ブラック企業の特徴8選|偏差値80~50まで」を参考にしてください。
【社労士からのメッセージ】
あなたが退職したいのは“わがまま”ではありません。
むしろ正常な感覚です。
退職妨害をしてくる会社は、労務も法律も守らない危険な体質であることが明白です。
あなたの人生をもっと大切にしていいんです。
【退職妨害から抜け出したい方へ】
退職できない環境はメンタルを確実に削ります。
安心して働ける職場に移りたい方へ、社労士として信頼できる転職サービスをまとめています。
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👤 監修者プロフィール
社会保険労務士 三島 潤
三島社会保険労務士事務所 代表
- 顧問先100社以上の労務管理をサポートし、年間数百件の労務相談に対応
- ブラック企業の実態に精通し、安心して働ける環境づくりに尽力
- 「ブラック企業を減らし、幸せな職場を増やすこと」を使命に、企業経営者・働く人の双方を支援中

